Vol.38 冬鳥の大型ツグミと珍しいツグミの仲間
(スズメ目ヒタキ科ツグミ亜科 大型ツグミ類 7種)
日本では大型ツグミ類として16種の記録がある。以前この中で夏鳥を中心に御紹介したが、今回は冬鳥および珍しめのものを選び紹介する。 ツグミ類は数歩歩いては立ち止まり、胸を反らす姿勢をよく行う。 何か一人で虚勢をはっているようで、見ていると楽しい。 (KUBOTA) |
夫の撮った「野鳥アルバム」を見ていたときのこと。
その中に、えさ台にとまっているツグミの写真があった。 あれは、小学校6年生の夏休みのことだった。 私は、夏休みの「自由研究」のことで頭を悩ませていた。 (去年も一昨年も、「アゲハチョーの観察」だったからなぁ〜。 まさか、今年もって訳にゃ〜いかんよなぁ〜。) すると、お父ちゃんが言った。『庭にえさ台作ってあげるよ。どんな鳥がやってくるか観察したら?』 『あ、それいい、それに決まり!』 お父ちゃんは立派なえさ台をこしらえ、私はさっそく観察を開始した。 しかーし結果は・・・。 なーんにも来なかったのである。 たまァーにスズメが来ただけである。 (うーん、スズメしか来なかったこの成果を、一体どうやってまとめよう・・・。) 私は、「水入れが転がっていたのは、知らぬ間に大きな鳥がきたせいだ」とか、 「下に落ちてた糞はスズメのものとは違うみたい」とか、 想像したことをテキトーに書きならべて、どうにか仕上げた。 (やれやれ、こんなことなら、アゲハチョーにしとけばよかった・・・。) しかし、担任の先生は、こんなことを言い出して、私をビックリさせた。 『Kちゃんか、Aくんか、どっちかのを展覧会にだそうと思ってるの・・・。』 私は小6にしては絵心があったので、先生は「見た目」に惑わされているらしかった。 私は(こんなのが出展されたら恥じゃ!)慌てて言った。 『先生、よく見てよ。私のはスズメしかこなかったんだよ! ス・ズ・メ・し・か!!』 先生はちょっと考えた後、あっさりと言い放った。『それもそうね。』 結局、Aくんの自由研究が展覧会に出展された。 私は、この時初めて 『世の中には自分の思い通りにならないことがある』 ということを知った・・・。 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 『ツグミの他にもいろんなのがくるよ。メジロとか、ヒヨドリとか・・・。』『ふーん・・・。』 私は、写真のツグミをもう一度見た。 ツグミは、みかんをおいしそうに食べていた。 (ふっ、これは冬だからよ。夏だとこうはいかないのよ・・・。) 私は、したり顔にそうつぶやいた。 (SHIMIZU) |
●ツグミ (Turdus
naumanni) 冬になると日本に沢山渡ってきてくれて、楽しませてくれる。 (KUBOTA) 【撮影者】 N.MATSUDO |
●シロハラ (Turdus
pallidus) 茂みが好きで、人が近づくとすぐ飛び去っていく。尾の先端外側が白く飛び去っていくときよく目立つ。結構地味目な鳥である。 (KUBOTA) 【撮影者】 N.MATSUDO |
●トラツグミ (Turdus
dauma) 古来”ぬえ”と言われていたものの正体である。 (KUBOTA) 【撮影者】 N.MATSUDO
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次は、珍しいツグミ類です。
初公開写真続々登場!(KUBOTA)