シギやチドリの仲間(2) シギ・チ、第2弾は、シギ科のオバシギ属などを紹介します。 ◎チドリ目
■シギ科18種


 今回はシギチの第2弾ということで、 シギ科の小さめの種類を紹介します。

 全体的にのっぺりして、ややトボケ顔のチドリ科に対して、 斑模様が強く、トリっぽい真面目な顔つきをしています。

 姿・形はバリエーションに富んでいまして、識別の楽しさと難しさから”通”好みのターゲットです。(CHINO)


「シギチ談義」

こぞの> うちらって、シギチファン多いのか、写真撮りやすいからなのか、 写真がすごく充実してるね。 でも、日本ぢゅうみてもシギチファンって結構いるし、うるさい人が多いので、記載には細かいところまでチェックいれられちゃうぜ。
って、まず、おれが入れようとしているのですが。

ふかがわ> 撮りやすいわけじゃないですね、良く撮りに行くからでしょう。

こぞの> 山の鳥に比べたら、水辺の鳥は撮りやすいと思うんですけど。  シギチって、遠くにいるって印象が強い一方で、平気で近づいてくる奴も多いし。  車で待ってたり、ハイドやブラインドにいると、  結構むこうから寄ってきてくれたりしませんか?

ふかがわ> 水辺は視界がいいから発見しやすいが、警戒されやすい。 だから見失うことはないけど、飛ばれたら最後。 水場や餌台のような待ちのポイントはないが、広範囲を探せる。 結局撮り方や鳥の性質でも違いますね。たしかに寄せてくれる鳥もいます。

でも昔にくらべてシギの近い場所はなくなりました。数も少ないし、すぐ飛んで落ち着きがない。 オバやコオバの写真は砂浜でゆくっり近づいて、群れに入り込んで撮ってます。

ささき> 私はシギチファンじゃないけど、撮っている写真はガンカモ・シギチばっかで す。

森の中って、シャッター速度おそいんだもの。


シギチA−1ページ 写真リスト トウネン ヒバリシギ オジロトウネン ヨーロッパトウネン


トウネンの仲間は体長14〜15cmと小さく、 ほとんどスズメと同じ大きさです。

群れの中には、珍しいトウネンも混ざっていることがあるので、
三脚に固定した望遠鏡でゆっくり観察しましょう! (CHINO)

●トウネン (Calidris ruficollis

 この中では一番ポピュラー。群れで行動しチョロチョロ走り回っています。 識別ポイントは、胸のキツネ色・大きさ・嘴の長さなど総合的に覚えましょう。(CHINO)

 羽の色や模様とか、けっこう個体で違います。それがまた面白いのですが。(FUKAGAWA)

 体長は15cm。

 旅鳥。

写真左/赤いのが夏羽  【撮影者】 M.FUKAGAWA
 【データ】 1999年 5月 5日 千葉県習志野市谷津干潟   Nikon F5 Nikkor AFS500mm F4 x2テレコン RDPII
写真右上/幼羽 【撮影者】 Y.CHINO
 【データ】1991年 8月31日 茨城県鹿島郡波崎町   Nikon F801 Nikkor ED500mm F4 開放 SHG400
写真右下/冬羽移行中 【撮影者】 F.SASAKI
 【データ】 1995年 9月 9日 千葉県銚子市 PENTAX Z-50P PENTAX ED600mm F5.6 RA(SensiaU)


●ヒバリシギ (Calidris subminuta

 トウネンより少なく内陸の湿地に多いです。 トウネンと違って足が黄色い。 背中の白い筋模様や、胸の斑点の感じが違うでしょう!(CHINO)

体長は14.5cm。旅鳥。

写真 
【撮影者】 Y.KUBOTA
【データ】 1995年 8月20日 茨城県稲敷郡桜川村浮島
 PENTAX Z-1P smcPENTAX F*4/600

【コメント】  暑い夏の盛り、シギチドリ類を探して休耕田の中のあぜ道を車で走った。 いたいた、たくさんのシギチドリ達が。 こちらに近づいてくるまで車のエンジンを切って、じっと待つ。 じっとりと汗ばんできて、ポタポタ垂れてくる。 そしてシャッターをきる。 んーこの爽快感がたまらない。その後に飲むアイスコーヒーが、またうまい! (本当はビールをぐいっと飲みたいところだが)


●オジロトウネン (Calidris temminckii

 珍しめの冬鳥としてやって来る。
 胸のグレーの部分と白いお腹とのコントラストが強く、 嘴が少し下に曲がって見える。 背中もトウネンなどより赤味が少なく、模様ものっぺり系。”チリリ”と鳴く。(CHINO)

体長は14.5cm。旅鳥、冬鳥。通称「ジロネン」。

写真/夏羽に移行中か? 
【撮影者】 Y.KUBOTA
【データ】 1995年 8月20日 茨城県稲敷郡桜川村浮島
 PENTAX Z-1P smcPENTAX F*4/600

【コメント】  この鳥を見るのにかなり時間がかかったような気がする。会えてみるとあっけないも ので、いつもフィールドにしていた秋が瀬で観察することが出来た。 ジミーくんとでも呼びたくなるほど地味な鳥で、夏羽でもあまり綺麗な色にはならない。 そこがまた奥ゆかしくて良いのだが...。


●ヨーロッパトウネン (Calidris minuta

 識別が難しい筆頭かもしれませんね。夏羽はまだわかるでしょ。(FUKAGAWA)

 まだ、多くの人が見た事の無かった時期には、出すのに勇気が要る種類でしたが、 最近は比較的よく観察されるようになった? 背中の羽が大き目、トウネンより寸詰まりで餌を食べる時にお尻が立って見える感じがします。 足も長めなんですか。(CHINO)

体長は14cm。迷鳥(旅鳥、冬鳥)
別名「ニシトウネン」、通称「ヨロネン、ヨーネン」。

写真左/夏羽 
【撮影者】 N.MATSUDO
【データ】 1997年 5月 1日 千葉県銚子市
 PENTAX Z-1P smcPENTAX67 M*6.7/800ED
写真右/夏羽 
【撮影者】 M.FUKAGAWA
【データ】 1992年7月19日 茨城県鹿島郡波崎町 
 Nikon F3 Nikkor ED800mm F5.6 RVP


《1ページ目編集後記》 シギチは、いろいろいて楽しいですね。 今回は、W.O西氏のご要望に応えて出来るだけたくさんの個体の写真を掲載してみました。 一応、夏羽とか冬羽とか書いてありますが、完全なものはまれでどちらかに移行中の場合が多いです。 みなさんのシギチ・ウォッチングの参考になると嬉しいです!(CHINO)