(スズメ目セキレイ科6種)
今回扱うセキレイの仲間
現在の一般的な分類では、セキレイ科の鳥は、セキレイ属、イワミセキレイ属、タヒバリ属の3つに分けられています。このうちのセキレイ属とイワミセキレイ属を併せてセキレイ類、タヒバリ属をタヒバリ類と区別して扱うことも、広く行われています。
セキレイ科(Motacillidae) セキレイ類 セキレイ属(Motacilla) イワミセキレイ属(Dendronanthus) タヒバリ類 タヒバリ属(Anthus) 今回は、これらのうち日本産セキレイ類の紹介です(全6種)。 ■ 日本産のセキレイ類 |
セキレイは××のお手本らしい
セキレイ類は、スマートな鳥で、長い尾を持っていて、この尾をよく振っていることが特徴です。英名はwagtailですが、これは尾(tail)を振り動かす(wag)から来ています。 この行動は、かなり強い印象を与えてくれます。 なんつったって、我らが始祖、かの伊弉諾尊、伊弉冉尊(いざなぎのみこと、いざなみのみこと)がはじめて夫婦の契りを交わそうとしたとき、初めてのことなのでなかなかうまくいかなかったのに、セキレイの様子を見て開眼し(?)、せいこうしたっちゅうくらいですから(日本書紀に書いてあるらしい)。セキレイがいなかったら、日本国の人は生まれてこなかったわけで……。 セキレイでも国内に普通に分布しているのはキセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイの3種ですが、このうちセグロセキレイは本邦特産種ですので、伊弉諾尊、伊弉冉尊がお手本にしたのは、是非、このセグロセキレイであっていただきたい(なんのこっちゃ。私、別に国粋主義者ではない。) そう言えば、外国の方が日本に鳥を見にいらっしゃることも増えているようですが、まずセグロセキレイを見たがるって聞いたことがあるぞ。ははぁ〜ん。(ますます意味不明?) が、しかぁし、この神話の舞台って言ったら出雲の国じゃねぇーのと、今、気がついた。 出雲? 今の島根あたり? ってことは岩見国の近く? 岩見国のセキレイっつったら、イワミセキレイしかないでしょう。ってことは…、××のお手本はイワミ? イワミセキレイは、セキレイ類の中では変わり者で、尾を左右に振ります(普通のセキレイは上下に振る)。この行動をお手本に初めての行為をいたすとは、我らが始祖とは言え、おそるべし。凄腕のテクニシャンじゃん。 と書いたところで、PCを後ろから覗き込んでる後輩の菊池君は言った。 「先輩、それ、無理。」 試したことがあるのかにゃあ? やっぱ、我が国の礎となったセキレイはセグロってことにしといた方がよろしいようで。 文章の品格が落ちた。反省。 (KOZONO) |
●キセキレイ (Motacilla cinerea) 特徴は、鮮やかな黄色のおなか。肉色〜橙色の足。キキン、キキンという金属的な地鳴き。 国内どこででも見た記憶がありますが、渡りの時期以外は単独〜小群のことが多いかな。セグロやハクと比べて、いわゆる環境の良い場所の方を好んでいるような気がします。でも、都市河川にもいてますよ。 高い山なんかにもいたりします。 先日も、山奥の民宿の前の電線にとまって、ひたすら囀っていました。 |
●ハクセキレイ
(Motacilla alba) 30年程までは本州以南では冬鳥だったらしいのですが、今では年ぢゅう見ることができます。 白黒ツートンですが、年齢、季節、亜種の違いによっては、グレーの部分が多く見えることも。 (余裕ができたら、亜種ごとの紹介ページつくらねば。セキレイ類は、亜種の野外識別もおもしろいグループだに。) セグロセキレイとの見分けは、顔が白いことと、ちちんちちんと鳴くこと、などです。 |
●セグロセキレイ
(Motacilla grandis) 日本特産種。っていっても、朝鮮半島やウスリー南部とかで繁殖した記録あり。まぁ、ほぼ日本限定ってこと。いちお翼あるからね。あ、でも「渡り」はあんまり知られていません。日本海の離島とか南西諸島とかで見かけてしまったと思ったら、しっかりチェックしましょう。貴重な記録です。 ハクセキレイとの違いは、眉斑と嘴の下以外の顔が黒いこと、じゅんじゅんって濁った声で鳴くことです。 |
もう1ページセキレイ。次のページの方が珍鳥度が高いです。