Vol.19 アホウドリとミズナギドリの仲間
(ミズナギドリ目アホウドリ科4種、ミズナギドリ科18種)


ミズナギドリの仲間

水薙鳥、その名の通り水上を薙いで飛翔する仲間である。

外洋性が高く船に乗らないと、なかなか見ることが出来ない。

(KUBOTA)


写真リスト

フルマカモメ シロハラミズナギドリ アナドリ オナガミズナギドリ

◎ナギドリと船酔いの思い出

小笠原航路では、いつも私は船底に寝転ぶただのデブと化す。船酔いのせいだ。

二回目の小笠原でも、行きは全くだめだった。

帰りは 「絶対頑張ろう!」 と思ったのも束の間、私は再び船底に寝転ぶデブとなっていた。しかし、

『この機会を逃すと、もう南の海の鳥はしばらく見れないかもしれない・・・・・。』

そう思った私は、体力を振り絞って 

『5分だけ探鳥しようっと』 

と考え、デッキに出た。

風に当たっていると、ちょっとは気持ち良い。

しかし、揺れる、揺れる。私は心底気持ち悪さと格闘していた。

同行していたS先輩は、

『俺って船に酔うって気持ちが、全然わかんないんだよな〜』

と言って、涼しい顔してどこかへ行ってしまった。

5分だけのつもりでデッキに来たので、もうすぐ帰る(戻って横になる)時間だ。

そう考えていた私のすぐ目の前を、比較的白っぽいナギドリがスーって飛んだ。

後剄に白いすじ・・・・・。

そう、それは紛れもなく

オオシロハラミズナギドリだったのだ!

しばらくその場で放心していたところ、先輩が戻ってきた。

『先輩・・・・・オオシロハラミズナギドリ・・・・・見ました・・・・・』

私は気持ち悪さを振り絞ってこう言うと、

『まじっ?ふざけんなよ〜!!』

と、ほんのちょっとの時間で比較的珍しいナギドリを見てしまった私に対し、先輩は本気で怒ってしまった。

私はというと、それだけですっかり満足してしまい、酔い止め薬を飲んで船底に寝転ぶ本当のデブと化したのであった。

(TAKAHASHI)


●フルマカモメ (Fulmarus glacialis

体色は暗色型から淡色型までバリエーションに富んでいる。日本では暗色型が多いが、アラスカの方へ行くと淡色型が優先してくる。でっぷりとしたその姿はなかなかユーモラスだ。嘴が特徴的で近くで見ると不思議な感じがする。ちょっと不細工?
(KUBOTA)

【撮影者】 Y.KUBOTA 【データ】 1998年2月23日 東京釧路航路   PENTAX Z-1 PENTAX67 800mm F6.7 ED RDPII 【コメント】真冬の航路はとても寒い。鼻水が凍るほどの寒さの中、       震えながらシャッターをきった。


●シロハラミズナギドリ(Pterodroma hypoleuca)

小笠原航路でよく見られ、台風の後などは本州周辺海域でも記録されている。日本ではこの仲間はなかなか見るチャンスがない。さらに識別も難しくマニア向けだろう。
(KUBOTA)

写真左【撮影者】 Y.KUBOTA 【データ】 1995年7月28日 東京小笠原航路      PENTAX Z-1 PENTAX FA*600mm       F4 ED RDPII 【コメント】この個体は船に並走して、しば       らく我々を楽しませてくれた。       翼下面の黒い縁取りが印象的である。 写真右 【撮影者】 N.MATSUDO 【データ】 1995年7月 東京小笠原航路      PENTAX Z-1P


●アナドリ(Bulweria bulwerii)

一見ウミツバメ類によく似ている。これも南方海域の海洋鳥だ。小笠原航路ではオナガミズナギドリに次いで多く観察される。羽ばたきと滑空を繰り返し、波の間に間に見え隠れする。ミズナギドリの中でも、特によく羽ばたくような気がする。台風に強いのか、はたまた落鳥しやすいのか本州近辺で飛ばされてきたという話はあまり聞かない。
(KUBOTA)

【撮影者】 N.MATSUDO 【データ】 1995年7月 東京小笠原航路       PENTAX Z-1P


●オナガミズナギドリ(Puffinus pacificus

 小笠原海域では最もポピュラーな種類である。小笠原航路では伊豆諸島くらいまではオオミズナギドリばかりだが、一晩寝るとそれがオナガミズナギドリに変わる。白髪頭のオオミズナギドリが、突然若返ったように頭が黒くなるみたいだ。
(KUBOTA)

写真左&右 【撮影者】 Y.KUBOTA 【データ】 1995年7月28日 東京小笠原航路       PENTAX Z-1       PENTAX FA*600mm F4 ED RDPII 【コメント】船の上からの探鳥は楽しい。       特に南方海域は何が出るかわから       ない面白さがある。       またいつか船旅をしたいものだ。 写真中 【撮影者】 M.FUKAGAWA 【データ】 1990年GW 東京小笠原航路       Nikon F3 Nikkor ED400mm F3.5 KR

次は、ミズナギドリPART2です。

一番きれいなミズナギドリの登場です。(KUBOTA)