Vol.25 ホオジロの仲間(2)(稀少種)

〜その2〜

(スズメ目ホオジロ科25種)

ホオジロ類を見るのは冬が多い。

山の中にいた鳥達が低地に降りて来たり、生い茂っていた木々の葉が落ちて、とても見やすくなっているせいもある。

とはいえホオジロ類は姿を隠すのが、とても上手だ。

チッチッと鳴いて、すぐに藪の中に姿を隠す。

それでも根気よくその場でじっと待っていると、姿を見せてくれる。

どんな場合でも鳥を見るのは、我慢強い方がよさそうだ。

(KUBOTA)

 

***** このページの写真リスト *****

シラガホオジロ   シロハラホオジロ   ズグロチャキンチョウ   シベリアジュリン

◎『珍ホオジロ』

今回のテーマであるホオジロ類の珍鳥には、数の少ない旅鳥、冬鳥として日本に飛来しているものと、北米産の種など迷鳥として扱われているものとがある。

数の少ない旅鳥、冬鳥であるホオジロ類は、主として渡りの時期に、出会いの期待がもてる。

近年は観察する人の目が増えたということもあり、以前は珍鳥と言われていたものも、
数の少ない旅鳥などと言われるようになってきた。

キマユホオジロシロハラホオジロシマノジコツメナガホオジロ
ユキホオジロシラガホオジロシベリアジュリンなんかは、
この部類に入りそうだ。

少し記録の少なくなるズグロチャキンチョウサバンナシトド
キアオジミヤマシトドは、ここ数年で見た人が急増したけれども、
珍鳥度は相変わらず高い。
何年か前に北海道の団地の庭で越冬したゴマフスズメもこのくらす。
このあたりになると、数少ない渡り鳥なのか迷鳥なのかの判断は難しい。

また、これら種が一定期間過ごす場所では、その情報は制御される。
土地のキャパシティに比べて集客力が高すぎるためだ。
しかし高度情報化社会の今日この頃、熱心なバーダー諸氏のほとんどが、
その個体を観察する。逆に、見ていないと、奇異の目で見られる。
「え、あの秋ヶ瀬のミヤマシトド見てないの? みんな見たのにぃ」
「なんだ、大分のキアオジ行かなかったのかよ。正月にもいたずぇ」
「え、地元埼玉なのにサバンナシトド行ってないの? だめじゃん」
情報が制御されていたにも拘わらず、である。

北米産のキガシラシトドや、チャキンチョウズアオホオジロ
イワバホオジロレンジャクノジコなどは、
正式な記録は1〜数回しかない迷鳥。
これらを国内で見ることができたのは、ほんの一握りの選ばれた人々だけだ。
うらやましすぎる。

さらに、北米産のヒメドリなど、未記録のホオジロたち
いづれ迷鳥(?)として記録されるであろうこれらの種を
確認してやろうと手ぐすね引いてる輩も少なからず居る。
あたしゃユキヒメドリ(JUNCO)に会いたい。
こういった人たちが最も忌み嫌う言葉は「どぉ〜せ、カゴ抜け」

ともあれ、珍ホオジロは、バーダーみんなが好きなんじゃないだろうか。
飽きるほど見ちゃって、もぉ飽きちゃったって人が居るのも、
裏を返せば、人気の高さゆえ。

だって、ホオジロの仲間って、やっぱりかわいいよ。
そのうえ「珍」って付加価値がついた日にゃ、そりゃゲットしたいわな。

珍ホオジロ見つけたあなた、ぜひ情報をお寄せ下さい。

(KOZONO)


●シラガホオジロ (Emberiza leucocephala

ホオジロ類の中ではかなり大きい部類に入る。時々カシラダカのように換羽を立てるしぐさがとても愛らしい。(KUBOTA)

【撮影者】 Y.CHINO 【データ】 1993年 10月10日 石川県輪島市       Nikon F801S Nikkor ED500mm F4P       開放 x1.4テレコンバーター使用 RVP 【コメント】夕方見つけたので、あんまり色が出ていません。       明るいところで夏羽が撮りたい。


●シロハラホオジロ (Emberiza tristrami

写真では分かり辛いが、頭央線のよく目立つ種類である。こいつも明るいところが苦手らしく、すぐに草木の間に潜んでしまう。なかなか見られないせいか、見るまでは憧れていた種類のひとつである。(KUBOTA)

【撮影者】 Y.CHINO 【データ】 1993年 5月 4日 石川県輪島市        Nikon F801S Nikkor ED500mm F4P 開放 RVP 【コメント】地面で盛んに草の実を食べているシロハラホオジロ。       一般的なホオジロ類と違って、地面を走ったり行動が面白い。


●ズグロチャキンチョウ (Emberiza melanocephala

分布域がかなり離れているにもかかわらず、時折日本でも記録されている。一部ではカゴ抜けの噂も高いが、近くで繁殖している期待を抱かずにいられない。(KUBOTA)

【撮影者】 S.KOZONO 【データ】 1991年 5月 5日 山形県酒田市       Canon AE1+P Canon FD400mm F4.5 RVP 【コメント】ゴールデンウィークの某所で、突然目の前に出現。       「ず、ず、ずぐ」って言いながら、とりあえず小銃一発       (手持ちの400ミリ、上の写真)。       しかし彼はすぐに藪に身を潜めた。       20分後、その畑の周囲にはバズーカ砲一個中隊が出動、包囲しており、       三脚にスコープなんかつけていた。       自分は、怖くて近寄れませんでした。       今くらいのずうずうしさがあれば、       もう少し良い写真が掲載できていたはずだと思うのですが…。


●シベリアジュリン (Emberiza pallasi

オオジュリンとシベジュは、シベジュの胸がのっぺり白いこと、
嘴の形や色(シベジュの方が直線的で、上嘴が黒、下嘴が肉色。
オオジュリンは丸みがあって、上下とも肉色)などで見分けます。

(KOZONO)

目立たない鳥なので、もっと日本に来ているかも?
みんなで探してみよう!

(KUBOTA)

【撮影者】 S.KOZONO 【データ】 1989年10月11日 山形県酒田市        Canon AE1+P Canon FD400mm F4.5 EN 【コメント】昔も今も珍鳥ですが、近年記録が多くなってきています。       分布域の推移もあるのでしょうが、確実な識別ができるように       なってきたことも理由の一つでしょう。       ただし今でも、オオジュリンと扱われて見逃されているシベジュも       少なくないはず。       あ、この写真集のオオジュリンって書いてある奴、シベジュだ。


次は、稀少ホオジロ類〜その3〜です。

の登場です。(KUBOTA)