Vol.25 ホオジロの仲間(2)(稀少種)

〜その1〜

(スズメ目ホオジロ科25種)

ホオジロ類は世界的にも広く分布し、その数は550種類にも及ぶ。

そのうち日本では25種が正式に記録されている。

通?の間ではホオジロ類をまとめて、その学名から 『エンベリ』 だとか 『エンベリザ』 などと、何だかコードネームのような名前で言われることもある。

今回は日本であまり見られないホオジロの仲間を紹介する。

(KUBOTA)

 

***** このページの写真リスト *****

キアオジ   コホオアカ   キマユホオジロ   シマノジコ

**********『見てはいけない鳥』**********

世の中には、見てはいけないものがある。

見てはいけないといわれると見たくなるのが人間の性であるが、見たい欲にかられてそれらを見た者が

ろくな目に会わないのは、童話や昔話の世界が教えるところである。

鳥にもやはりそういうものがある、と、勝手に思っている。

日本ではほとんど見ることはできないが、図鑑には載っていて、

特徴のある容姿をしているような鳥がそれに当たる。

写真はないかあっても同じ写真が複数の図鑑に使われているか、ぶれぶれのピンぼけ写真だったりして、

特徴的な姿をはっきりと見たいという欲求を、より刺激されると同時に、

いかにも珍鳥然とした雰囲気で手の届かないところにいるような高貴な印象を与えているのだ。

こういった鳥の代表格が、個人的にはノガンキアオジカンムリカッコウ

であり、この3種のどれかを見てしまった暁には、きっとただではすまないだろう、と思っている。

なのに、「野鳥の杜」にすでに全種の写真が掲載されてしまった。

見るだけにとどまらず写真まで撮っているわけで、そのうち写真提供者に大変なばちが当たるに違いない、

と思っているのだが、なぜか、いまのところは全員何事も無く生活している。

高貴な存在であるはずのこれらの珍鳥でも、中にはできの悪いのもいて、昨年九州あたりで一冬居着いて

愛敬を振りまいたお馬鹿なキアオジがいたらしいし、3年ほど前には、2年連続で同じ場所に出現し、

挙げ句の果てには環境庁リングをつけられてしまったおろかなミヤマシトドもいた。

やはり、正当な珍鳥としては、愛知県で出現したノガンのように、ちらりとその姿をみせ、

さわやかに去っていく姿勢が欲しいものだ。

(いや、別に、どれも見てないから言ってるんじゃないんですよ・ ・ ・ ・)

(SASAKI)


●キアオジ (Emberiza citrinella

稀少ホオジロ類のなかでも、郡を抜いて見るのが困難とされる種類です。昨冬に九州地方で出現し、多くの人の目を楽しませていたようです。(KUBOTA)

【撮影者】 N.MATSUDO


●コホオアカ (Emberiza pusilla

真っ赤なお顔の恥ずかしがり屋さんである。でもたまに明るいところに出てきてくれて、我々にサービスしてくれるかわいい奴だ。
(KUBOTA)

【撮影者】 N.MATSUDO


●キマユホオジロ (Emberiza chrysophrys

黄色い眉の粋な顔した奴である。すぐ藪の中に入ってしまうためか、なかなか見るのが難しい。
(KUBOTA)

【撮影者】 Y.KUBOTA


●シマノジコ (Emberiza rutila

とっても綺麗なホオジロ類だ。雄の成鳥を間近に見ると、飼い鳥かと思うくらいに美しい。きっとよい声で鳴くんだろうなぁ。
(KUBOTA)

【撮影者】 N.MATSUDO


次は、稀少ホオジロ類〜その2〜です。

の登場です。(KUBOTA)