Vol.30 モズやヒヨドリの仲間

<スズメ目 モズ科・ヒヨドリ科・サンショウクイ科>

その2

 


モズの仲間(2)

モズの仲間は、丸っこい体に、長い尾をもち、
この尾を誘惑的に回します。
各種とも美しい羽色を持っていますが、
その羽色には性差が認められるものがあります。

 

バードウォッチャーの社会的役割シリーズその4
C氏、切手画家のプロフィールを見破る、のお話

いつもの通り、フレックスで重役出勤した朝。
私の上司のMさんと、後輩のS君が向かい合っていた。

 『おはようございます!』(あんまり早くない)
二人の間をとおって席に着く私に、
良いタイミングという風で、にこにこしながら二人が聞いてきた。

 Mさん:『これ、モズだよね?』
さすがMさん、なかなか分かっている。

 Sくん:『スズメみたいですけど...』
ありがちな意見である(笑)

二人が話していたのは、社外から送られてきた
封筒に張ってある切手の絵のことであった。
そう、野鳥シリーズの
バードウォッチャー的にも、かなりいけてるやつだ。

 私:『モズですね。』
即座に答える私に感心する二人。
バードウォッチャー冥利に尽きる瞬間であった!

 Mさん:『やったー、あたった〜。はっはっは〜』
 Sくん:『スズメじゃないんですかぁ〜?』
 私:『あれっ?』

モズはモズでも、ちょっとおかしいことに気付いた。
机に常備してある野鳥図鑑を開いて二人に説明した。

 『この切手のモズは背中が青灰色で、お腹にウロコ模様がないでしょ?
   だから、オスですよね。でもほら!羽根に白い点がないでしょ。
     ずばり!これ描いた人は鳥素人です!』
 (そんなこと言っていいのか?)

 二人:『おお〜、さすが!こんな細かいところに一瞬で気付くとわ。』

(目の前を通り過ぎる鳥を一瞬で見分けるのは、
  フィールドでは当たり前なのだ。はっはっは〜)

と、言おうかとも思ったが、
 でも、もう止めとこう。
  なんで報告書は間違いが多いのかって
  指摘されそうだから...

(CHINO)


このページで紹介するのは、大きめのモズの仲間です。
いづれも、冬鳥、そして、なかなか出会うことのできない種類です。
幻の鳥と言ってもよいかもしれません。

ある冬、奥日光、戦場ヶ原に鳥見に行きました。
高い高い梢の上に、あれれ、リュックサックが揺れている、
え、うそ、人が串刺しだっっ。

あ、あれこそ、「大百舌」の“はやにえ”だっ。

オオモズには会いたかったものの、“はやにえ”に
なりたくなかった私たちは、速攻で逃げ帰ったのでした(嘘)。

私のライフリストにオオモズが加えられるのは、
いつの日のことになるでしょう。


● オオモズ Lanius bucephalus

大きな、白いモズで、冬鳥として少数が渡来します。

北海道や、奥日光、八ヶ岳山麓など、雪景色の中で、単独で生活しているうえ、警戒心もかなり強いらしいです。

なんて、バーダー泣かせな奴なのでしょう。

【撮影者】 A.FUJIAT
【データ】 1999年10月24日 石川県輪島市
      Nikon F4 Nikkor ED600mm F5.6
      オート 1/350 RDPII


● オオカラモズ
Lanius cristatus

日本のモズの中で一番でっかくて、
ハトくらいあるように見えます。
日本では、冬に、ごく少数が
干拓地や草原に渡来します。

【撮影者】 Y.CHINO
【データ】 1999年4月5日 石川県輪島市
       Nikon F801
       Nikkor ED500mm F4P x1.4
       開放 RVP
【コメント】 オオカラモズを見るのは初めてで、
       白黒のコントラストがきれいな鳥だ
       と思いました。もうちょっと大きく撮

       りたかったですね。


● タカサゴモズ Lanius tigrinus

インド〜東アジアに広く分布する美しいモズ
で、住む地域による羽色のバラエティが豊富。

沖縄では台湾に住んでいるのと同じタイプが
記録されていますが、それは野生のものか
な?

写真の個体は、インドあたりに住んでいる奴
らしいです。日本には、船に乗ってやってき
たことになっています。

【撮影者】 Y.CHINO
【データ】 1996年12月14日
       神奈川県横浜市鶴見区大黒埠頭
       Nikon F801
       Nikkor ED500mm F4P x1.4 
       開放 RVP
【コメント】ちょうどこの頃、大黒埠頭によく
       スズキ釣りに行っていまして、
       同じ所で珍鳥が出るとは
       びっくりでした。
       ちなみに、つばさ橋の下にも、
       ちょっと木が生えているところが
       あるのですが、 そこでも、時々、
       変な声でさえずっている鳥がいます。


次はヒヨドリの仲間・サンショウクイの仲間です