Vol.30 モズやヒヨドリの仲間

<スズメ目 モズ科・ヒヨドリ科・サンショウクイ科>

その1

 


モズの仲間(1)

モズの仲間は、
林縁部で暮らす捕食性の鳥類で
日本国内では、これまで7種の記録があります。

 

   ■ 日本のモズ 7種

モズLanius bucephalus

アカモズ Lanius cristatus

チゴモズLanius tigrinus

セアカモズLanius collurio 

オオモズLanius excubitor 

オオカラモズLanius sphenocercus

タカサゴモズLanius schach

  
モズは、野外で普通に出会える一般種。
他のモズと区別する時は「ただモズ」と呼びます。
ギ〜チ、ギチギチという高鳴きは、
日本の秋を象徴すると言えます。
また、漢字で「百舌」と書くように、
他の鳥の鳴き真似をします。
モズにとって今頃、春先の3月は、
恋の季節、繁殖期となっています。

アカモズチゴモズは、夏鳥。
最近めっきり数が減ってしまった鳥です。
関東地方にチゴモズが飛来しているという情報は、
たくさんのバーダーを集めるほどです。

オオモズオオカラモズは数少ない冬鳥。
オオモズは雪原の鳥、
オオカラモズは冬の埋立地の鳥
ってイメージですね (私だけ?)。

タカサゴモズは数少ない飛来例があるだけ。
数年前に横浜の大黒埠頭で出たときと、
2000年問題でゆれるこの年末年始に
福岡の和白で出たときは、
たくさんのバーダーが見に行きました。
私も、幸いにも、両方とも見ることができました。
両方とも、愛想の良い鳥でした。
んが、しかぁ〜し、
この2例、どちらも
日本には、ちょっと飛んでこれない地域に
住んでいるタイプだったようですね。
ってことは、野生の子ではない?
いわゆるカゴヌケ?
そぉいえば大黒の子は密航者と言われていました。

この2個体しか見ていない私のライフリストって…。

セアカモズは日本海側の某島で
迷行記録があるだけです。


まずは、小さめのモズの仲間から見ていきましょう。

モズ、アカモズ、チゴモズです。

いづれも国内で子育てをする種類です。


● モズ (Lanius bucephalus

はやにえという貯食の習性が知られていますが、遊んでいるだけという説も有力。

顔に似合わず獰猛(どうもう)で自分よりも大きな鳥を襲うこともあります。私は、シラコバトに襲いかかるところをみたことがあります。

写真の個体は、おなかのうろこ模様があるので♀。

【撮影者】 N.MATSUDO


● アカモズ (Lanius cristatus

アカモズと言えば、朝霧高原で、牛糞の薫りに包まれながら観察するもんだっていうイメージがあります。

“ただモズ”よりも、スマートできれいな鳥なのですが、自分の中ではどうしても、“いい匂いの鳥”ですね。

 

【撮影者】 N.MATSUDO


● チゴモズ (Lanius tigrinus

見てのとおり美しいモズですが、近年、激減しています。

繁殖しているという情報は、多くのバーダーを集めます。

でも、近くで撮りたい、見たいからと言って、畑や庭にまで入り込むのはやめましょう。

最近、どうも、マナーの悪い鳥見人が多くて困ったものです。特に始めて間もない人(年齢問わず)。マナーの普及・啓発が急務ですねぇ。

また、鳥の写真を撮る人のすべてがマナー悪いと思っているあなた、それは偏見です。


【撮影者】 N.MATSUDO

 


次は、モズの仲間でも大きなもの3種です。