Vol.26 ガンとハクチョウの仲間
(カモ目カモ科マガン属、ハクチョウ属など14種)

写真リスト
マガン シジュウカラガン ヒシクイ カリガネ


「極寒のガン・カモ・ウオッチング」

秋の紅葉もピークを過ぎ、
ロシアの寒気団が日本へ張り出してくる頃になると、
冬の使者としてハクチョウの到着がちらほらと聞かれるようになります。

 「遠いところから、ごくろうさん!」
そういう気分になる、今日この頃です。

冬はガンの仲間が渡ってくる季節。
毎年10月頃から普通のカモたちが姿を現し始め、
11月になるとガン・ハクチョウのレギュラーメンバーがほとんど揃います。
マガンシジュウカラガン
ヒシクイオオハクチョウコハクチョウなどです。

ガンの渡ってくる地域は局地的ですので、
ガン・カモ・ウォッチャーは遠路はるばる出かけて行きますが、めちゃめちゃ寒いです!
極寒のガン・カモ・ウォッチングです。

北海道・ノサップ岬の先端で、海ガモを探すのも、
銚子でカモメを探すのも寒いですが、東北地方内陸の放射冷却の朝も相当寒いです。

東日本屈指のガン・カモポイント 宮城県伊豆沼
山間の田んぼの中に広がる 遠浅な湖面 には外的から身を守るように
ガン・カモたちが 集団で 寝ています。

まだ暗いうちに到着したウォッチャーは、
湖岸の思い思いの場所に陣取り、夜明けを待ちます。
日が昇るとガンたちは餌を採りに周囲の田んぼなどへ飛んでいってしまいますので、
それまでが、 ウォッチングタイム

「あ〜あ、行っちゃった。」

「うおぉ〜!」

何千羽(?)というガンたちの飛び立ちを眺めながら、喜んでいたのを思い出します。

「今年もシジュウカラガン見れたね!」

(CHINO)


それでは、ガンの仲間から紹介しましょう!

●マガン (Anser albifrons
ガンの仲間で、最も数の多いのがマガン。 後で紹介する希少種がガンの群れに混ざっていることが多いため、マガンの姿はよ〜く覚えておきたい。
 若い個体では、体の大きさや、額の白い部分が小さかったりするので注意が必要。 田んぼに降りて、餌を食べている時などは比較的観察しやすい。(CHINO)
【撮影者】 Y.KUBOTA 【データ】 1993年12月11日 宮城県登米郡南方町       PENTAX Z-1 PENTAX A*645 600mm/F5.6ED RVP 【コメント】マガンを見るために宮城県伊豆沼へ行った。朝沼を飛び立ったマガン達は       周辺の田んぼへと向かう。車で沼周辺を探検していると、マガンの家族を       発見。警戒心の高いマガンをこんな近くで見たのは初めてだ。車の中から       そっとシャッターを切った。


●シジュウカラガン (Branta canadensis
マガンの群れに混ざっているが数が少ない。 シジュウカラのような、白いほっぺが目印。
 最近、放鳥されて一時期より数が回復している。 マガンの群れを発見したら、まずシジュウカラガンを探してみよう! (CHINO)
【撮影者】 M.FUKAGAWA 【データ】 宮城県伊豆沼        PentaxSP タクマー300mmF4テレコン使用 エクタクローム


●ヒシクイ (Anser fabalis
 マガンより大きいガンで、マガンの次に数が多いが、別の群れで行動しているため群れを見つけないといけない。
ある程度近くに群れを発見したらクチバシの先の黄色いのが分かるが、  距離がある時は頭からクチバシにかけてのシルエットでマガンと区別できる。
 日本には、オオヒシクイ(Anser fabalis middendorffii)、ヒメヒシクイ(Anser fabalis curtus)、 ヒシクイ(Anser fabalis serriostris)の3つの亜種が渡ってくる。 写真は、2番目に少ないオオヒシクイ。 (CHINO)
【撮影者】 M.FUKAGAWA 【データ】 1993年1月 茨城県江戸崎町       Nikon F3 Nikkor ED800mm F5.6


●カリガネ (Anser erythropus
 マガンに似た種類だが、ふたまわりほど小さいガン。 クチバシが小さく、黄色いアイリングがあるのが目印。 普通、マガンの群れの中にいるので、たくさんのマガンの中から1羽から数羽混ざっているのを探し出すのがポイント。 マガンの若鳥と間違えないように注意が必要。 (CHINO)
【撮影者】 Y.CHINO 【データ】 1993年12月26日 茨城県水戸市千波湖       Canon T70 Canon FD300mm F4 開放 RVP 【コメント】話しを聞いて水戸偕楽園近くの千波湖へ探しに行った。       ところが、そちらの方向を双眼鏡で覗くと舗装道路の上を       トコトコ歩いているではないか!       「こんなの見てしまって良いのだろうか?」       この時のカリガネ君の第一印象は、多くの人がそう思ったらしい。       (普通は遠くから一生懸命探して見るものですね)


次は、ちょっと珍しめのガンの仲間です。

(CHINO)